A White Rainbow

創作をする人の日常と考え事の壺。

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出会い

はじまりから少し遡って…。



目が覚めた時には、深い青の衣に白い髭。

青い鳥は、青い衣のおじいさんになっていました。
見慣れない五本の指。歩きなれない足。

よたよたと歩く青い鳥に、杖が目にとまりました。

青い鳥は、杖を手に小屋の外へと出ていきました。


扉を開けると、目の前に広がったのは広大な青、眩しい陽の光、そして森の中のひときわ大きな桜の木でした。


青い鳥は杖を片手に、森を歩き、桜の木を目指すことにしました。
なぜだか、呼ばれているような気がしたのです。

何度もつまずき、よろけながら辿り着いた桜。
風に揺れ、その満開の花を時折散らしていました。


「立派な木だ。」


青い鳥は、これほど立派な大樹を見たことがありませんでした。


流れていく時も忘れ、風に吹かれる大樹をただ見上げていました。



すると、どこからか子供の泣く声がきこえてきました。


近くを探してみたところ、大樹の後ろでうずくまって泣く人間の子を見つけました。


青い鳥は、近寄って声をかけました。


人間の子は、顔をあげ、手を差し出してきました。
その手には、小さな木の芽がしおれていました。


晴れ渡る空は、雲が大きく動き、その色を変えました。


「治らないの。」 


人間の子の消え入るような声は、ポツポツと降り始めた雨にかき消されそうなほど、か細く、大粒の涙を流し続けていました。


「これは、新芽か。まだ若い命が、なぜしおれているかわかるかな?」 


人間の子は、首を横に大きく振りました。


「ここに傷がついているからだよ。」

青い鳥は、自分の胸に手を当てて、人間の子に教えました。


人間の子は、泣き止んでいました。


「ここは、見えないからこそ傷つきやすい。」


胸に手を当てて、優しく話しかけるその声に、人間の子は治し方を教えてほしいと言いました。


青い鳥は、言葉を慎重に選びながら、言いました。
「君に、この命を救う思いやりはあるか?」と。


力強く頷いてみせた人間の子は、青い光に包まれていきました。


青い鳥と同じ色の服に、大きな三角の帽子を被り、手には小さな杖が握られていました。


「今日から君も、魔法使いだ。ただし、いきなりすごい魔法は使えない。1から私と修行しよう。」


青い鳥は、魔法使いとして、弟子でもある人間の子と共に、この森で生きていくことを決意しました。


この森の新芽を救うために。
この子の涙を癒すために。


そして、人間の子から、心を学ぶために。




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