White Rainbow

ある日、霧の中で幻のクマと1匹の野良猫が出会った。

幻の花畑

コロボックルは不思議な風に導かれて森の夜を歩いていました。


柔らかな温もりを感じる風に、微かな歌声が乗っているような気がして。


ふと、目の前に光を見つけました。


それは、ぼんやりしながらも煌々と光る花畑でした。


その光に、温もりと優しさを感じて、コロボックルは花畑の中へ歩いていきました。


月のない夜でした。

いつもより、星空はその瞬きを輝かせているように見えましたが、花畑の温もりはそれ以上にコロボックルを癒しているように感じられました。


風に揺れる光の花畑。

微かに聴こえていた歌声は、花畑の奥から届いているようでした。


ふと、歌声がやんで、風のない瞬間(トキ)が訪れました。


音のない世界は、とても静かで、再び吹き始めた風にコロボックルは頬に流れていく雫に気がつきました。

頬を撫でていく温もりで、コロボックルは目を擦りました。



コロボックルは、歩みを進めました。


奥へ奥へ、歌声の正体を知りたくて、ただ真っ直ぐに歩いていきました。


その足は、少しずつ傷つき、再び聴こえ始めた歌声はだんだん近づいてきて、はやる気持ちを抑えきれなくなった時、コロボックルはいつの間にか広がっていたイバラに足をとられ、倒れてしまいました。


冷たい大地。
起き上がれない。

コロボックルは、自分が傷ついていくことに気がついていなかったのです。

コロボックルの胸が痛みました。


そんな時流れていく雫は、ナミダだとたしか、魔法使いさんが教えてくれた。


目をつぶっても流れていくナミダに、コロボックルはどうしてよいかわかりませんでした。


「イタズラに人の悲しみに触れ、そこに倒れてしまっては意味がない。優しさはいつしか無に返るもの。」


どこからか現れた魔法使いさんの深みのある声が、コロボックルの体を宙に舞いあげ、光と共に、もう一度その足で立つことを許してくれました。


コロボックルは、泣いていました。


「僕は、どんな人が歌ってるのか知りたかった…!」


泣きながら話すコロボックルに、魔法使いさんは言いました。


「あれは、悲しみに満ちている。今はただ、ここへ歌声を聴きに来るだけにしてほしい。」


泣き止んだのか見上げてきたコロボックルに、魔法使いさんは続けました。


「いつか、君にも、誰だかわかる日がくるよ。」



コロボックルは、頷いて、花畑を見回しました。


魔法使いさんは、少し歩こうと促し、いろんな花を指さしてはその名前や特徴を教えてくれました。




花畑に、一滴の雫が零れ落ちました。



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