A White Rainbow

創作をする人の日常と考え事の壺。

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『幸せと糞の物語』チヌカルカムイ

その夜、コロボックルはひとつの星の存在について考えていました。


「私たちを見ている存在…。」


コロボックルは、魔法使いさんから聞いた話を思い出していました。


魔法使いさんは、それを本で読んだことがあるだけで、何のことかはわからないと言いました。




コロボックルは、空を見上げて考えました。

遠い遠い、コロボックルの記憶から出てきた呪文のような言葉。



「北斗を見るに星の光さえず、落ちくぼみたるやうに見ゆれば遠からぬ内、雨風あり。」



コロボックルの目にいつも映っていたあの星は、不思議な光の温もりを持っていました。


コロボックルは、夜の森を歩くことにしました。
考え事の答えを知るために。


空を見ながら歩いてきた道は、自ら探し、選んだ道なのか。

コロボックルは、光の温もりが宿る窪地にたどり着きました。


そこには、魔法使いさんがいました。

「ここは、決して枯れることのない泉。この泉に水を湧かせてほしい。君ならできる。」


魔法使いさんの言葉には、最後に力が込められていました。


コロボックルは、窪地に僅かに残る水を見て、心から湧き上がる言葉を紡いでいきました。



「星になろう、七夜の星に。泉は涙の色深く。願いをかける、命の巡りに。」



枯れ果てた泉に、水が湧き上がり始めました。

あっという間に、大きな水柱をあげた泉は、星の光に照らされて、キラキラと輝き始めました。


コロボックルは、揺れる水面に映る星の煌めきに、いつか地面に消えていった温もりを見たようでした。


魔法使いさんは、笑顔で応えてくれました。


「君に、この言葉を贈ろう。」

"その光冴えわたり、浮き上がりたるやうならば天気つづくと知るべし"


コロボックルは、ハッとしました。

そして、目に映るひとつの星を指して、言いました。


「あれは、僕達が見る神なんだ。」



魔法使いさんは頷いて、その星に「チ ヌカル カムイ」という魔法をかけました。

「私達を見るあの光が、永遠に続くようにオマジナイをかけた。ありがとう、またひとつ森に花が咲く。」



この日、コロボックルは、自分を信じるということが魔法にはとても大切であることを知りました。

心の底に沈んだ言葉に思いを乗せることで、生まれる光は星の光を呼ぶ。


星の光は、いつかどこかで、必ず誰かに届く。


コロボックルは、自分をいつも導いてくれるあの星を、魔法使いさんのオマジナイから「チヌカルカムイ」と呼ぶことにしました。



暗闇を照らし続けるひとつの光は、いつか、思い悩む人々すらも、ひとつの道に導くでしょう。



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