White Rainbow

ある日、霧の中で幻のクマと1匹の野良猫が出会った。

幸せとクソの物語『いつか』

秘密の魔法使いさんは、作り終わったコロボックルの新しい鞄に、魔法でお守りを施しました。

青い鞄には、鳥の模様が刺繍されていました。

その鞄を持って、秘密の魔法使いさんはコロボックルを探しながら森を歩きました。

「イヤヘッヒッヒ。」

森にはあの存在の笑い声も、まだ響いていきます。

それは、秘密の魔法使いさんを苦しめました。

頭に響いていく笑い声と卑しい言葉は、痛みになりました。
頭を抱え、叫びたい気持ちと戦っていたとき、痛さが軽くなりました。


秘密の魔法使いさんが顏をあげると、コロボックルがその手に何かを持っているようでした。
握りつぶそうとしたり、パチンと音を立てて手を叩いてみたり、それでもその何かはなくならないようで、コロボックルは首をかしげていました。

秘密の魔法使いさんは、今度は手加減をして見えない笑い声を消し去りました。

コロボックルは、他にもあると、ポケットに入れた手をまた差し出しました。
秘密の魔法使いさんは、魔法でそれらをすべて消しました。

コロボックルに、持ってきた青い鞄とクッキーをあげて、秘密の魔法使いさんは少しこの森のお話をしました。

悲しみを持つものが呼び寄せられる、幻の花畑。
そこは、やがて音楽があふれる場所になったこと。
森にはかつてたくさんの命が輝いていたこと。

コロボックルには、その姿が頭の中に映しだされるように見えていました。

「君も、この森と共に生きているんだね!」

コロボックルは、言葉を発しました。
秘密の魔法使いさんは少しビックリしました。

「あの大きな木は、僕に森と共に生きていきなさいと言った。それは、君と共に生きていくことでもあると思う。僕は頭がスカスカに感じる。きっと、何かを忘れてる。君を知っているようで知らないんだ。」

秘密の魔法使いさんは、今はそれでいいと、言いました。
「今の森を新しく知っていけば、いつか忘れていたことさえも、忘れられる。」

この日、秘密の魔法使いさんとコロボックルは、その「いつか」を必ず呼ぼうと約束しました。