White Rainbow

ある日、霧の中で幻のクマと1匹の野良猫が出会った。

幸せとクソの物語『優しい歌声』

満月が輝く静かな夜、コロボックルは眠れずにいました。

目をつぶると、不思議な光景が目の前に広がって、たくさんの声が聴こえてくるのです。

起きている間は、辛くても苦しくても、立ち向かえる。
けれど、完全に夢の中へ吸いこまれてしまえば、戦うことができなくなる。

コロボックルは、うなされていました。

そして、腕を掻きむしった痛みに気づきました。


木々の間から見える満月と、大地に映る大樹の影に、しばらく何も考えない時を過ごしました。


一息ついた頃、妖精たちがやってきてあの歌をうたい始めました。

それは、温かく優しい歌声でした。



コロボックルは、泣いていました。

「僕は、その歌を聞いたことがある気がする。」


妖精たちは「星の夢」と呼び、この歌は森が奏でることを教えました。

「星には言葉がある。魔法がある。その輝きの中に優しい温もりが眠っている。」

コロボックルの言葉に頷いて、妖精たちは姿が見えなくなりました。

コロボックルは、「星の夢」を口ずさむようになりました。

それは、完璧なものではなく途切れ途切れなものでしたが、秘密の魔法使いさんのもとにも風に乗って届きました。

秘密の魔法使いさんは、懐かしい歌声に喜びを感じました。


空には、流れ星が一筋流れていきました。