White Rainbow

ある日、霧の中で幻のクマと1匹の野良猫が出会った。

幸せとクソの物語『花が咲く』

コロボックルは、空へ吹き抜けていった風に、温もりを感じました。

「これが魔法使いさんの祈り。」

コロボックルには、見えない生命の息吹きが鼓動となり、その存在を確かに感じられました。

「みんないるんだ、この森に。僕にも、いつかみんなの姿を見ることができるだろうか。」

不思議な温もりに、コロボックルは泣いていました。
そんな時は、風に導かれるように森を歩きます。
自然と涙が止まるまで、コロボックルは歩くのです。

ふと、柔らかな光を見つけました。
近づくと、光は一輪の花でした。

もう少し近づいてみると、花は歌を歌っています。

コロボックルは、そこで立ち止まりました。

歌声が聴こえるくらいでいい、そう思いました。
その姿を手に取るように確かめられなくても、心地よい歌声を聴いていたい。


コロボックルの涙は止まりません。


悲しみの歌が響いていくから。


魔法使いさんが現れて、言いました。

「今は、一輪。だけど、必ず花畑になる。思い出が続く限り。」

コロボックルは、びっくりした拍子に、涙が止まりました。


幻ではない、一輪の花。


ふたりは、花畑を夢見て、花が紡ぐ歌を懐かしそうに聴いていました。




にほんブログ村