White Rainbow

ある日、霧の中で幻のクマと1匹の野良猫が出会った。

幸せとクソの物語『読めない理由』

コロボックルは、森のゴミを鞄に集める日々にやがて意味を見出すようになりました。


小さな疑問には、森が答えを出す。

声だと思っていたものは、ただのゴミだった。
それを取り除けば、木々は話すようになった。


魔法使いさんには、木々の声は聞こえないみたいだった。
話したらびっくりしてた。

魔法使いさんには、まだあの声の方が大きいんだ。
それは、僕が取り除くゴミにある。

木々がその声のことを少しだけど、話してくれた。

僕がゴミを取り除く瞬間は、断末魔と呼ばれるものがこだまするって知った。
でも、魔法使いさんにはその声は聴こえなくて、ただ頭痛が止むみたいだ。

木々が聴く声と、僕が聞く声と、魔法使いさんに響く声。

すべて、この森の声だ。

僕にできることは、森を綺麗にすること。
集めたゴミは、魔法使いさんの魔法で消える。

木々は、緑を取り戻していく。

僕には、小さな花火しか出せない。
線香花火をイメージしたもの。

魔法使いさんは、森の闇を照らす、大事な魔法だって喜んでくれた。

それが、僕には嬉しかった。
僕は、僕にできることをする。

いつも、ありがとう。




妖精たちは、コロボックルの手紙を読んで、魔法使いさんに聞かせてくれていました。

魔法使いさんは、妖精たちからその手紙を受け取ると、大事に折りたたみました。

コロボックルは、こうして時々手紙をくれますが、魔法使いさんには読めないので、妖精たちに読んでもらっていました。

コロボックルの書く文字は、汚くて読めないのではありません。

ただ、解読が難しいのです。

暗号だと思って、一度燃やしかけてしまってから、魔法使いさんは解読を諦めて、妖精たちに頼んでいます。

妖精たちは、微笑んでいつも読んでくれます。


泉に落ちる滝の音に、コロボックルの言葉が吸い込まれて、溶け込んでいくように魔法使いさんには感じられました。


静かに落ちていくものに、少し懐かしさを感じられました。




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