A White Rainbow

創作をする人の日常と考え事の壺。

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幸せとクソの物語『流れていくもの』

うっそうとしていた森に少しずつ光が差し込むようになって、木々にその彩りさえ見られるようになってきた頃、妖精たちの数が減ってきたように魔法使いさんは感じていました。


森が姿を取り戻そうとしている時に、どうしてだろう?


魔法使いさんは闘病日誌にその謎を記しました。


同じ頃、コロボックルはゴミ拾いをしながら、考え事をしていました。


それは、この森によく似た夢の世界で、自分がすごい魔法を使って戦っている夢だったり、たくさんの花に囲まれている夢だったり、泣いている夢をよく見るようになったからでした。

不思議な夢を見た後は、泣きながら目を覚まします。
そして、しばらくその幻から離れられずにいました。


ふと、妖精が飛んできました。


そして、コロボックルにある秘密を話し始めました。


その秘密は、森にとってもうひとつの秘密であり、魔法使いさんは知らないものだと言いました。


コロボックルは、妖精に念を押されて、後ずさりしながら、誰にも話さないことを約束しました。

「私達は、森の秘密を守る存在。同時に、魔法使いの涙でもある。この森が元気を取り戻し、やがて元の姿に戻るということは、あの子が悲しむ必要がなくなるということ。」


コロボックルは、口をポカンと開けたまま頷きました。

「私達は、じきにいなくなる。その時が近づいている。お前にはあの子の涙が流れていくときがある。それは、生命の温もり。そして、魔法使いの思いやりであることを忘れないでほしい。」


そう伝えると、妖精はコロボックルの返事を待たず、姿を消してしまいました。



「言いたいことだけ言っていなくなるのは、困る。」


コロボックルは、考え事を整理しながら、ゴミ拾いをし、一言もらしました。



森に、弱い風が吹き抜けていきました。



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